■日時: 3月16日  ■句会場: ゑくぼプラザ  ■兼題: 守  ■参加者: 20名

合点 作      品 作 者 選     者
9 啓蟄や自縛解かるるふさぎ虫 池内結 主宰 ひろ子 つとむ 次代 綾子 玲華 正代 ⚪︎真知子 とをる  
7 誰がためといはず老妻雛飾り 吉水翔並 ⚪︎主宰 加津 玲華 禎子 正代 とをる 真知子  
5 春風の中を無免許縄電車 すずき巴里 ひろ子 次代 正代 けい子 とをる  
4 うららかや五人となりし立ち話 河村啓花 主宰 次代 正代 とをる  
4 覗き見る雑魚や藻草や春の水 佐藤弘香 ⚪︎主宰 つとむ 綾子 とをる  
4 山掴む椎の巨木や春動く 佐藤弘香 ひろ子 つとむ とをる 真知子  
4 水張りし春田の綺羅や農守る 金田けいし つとむ ⚪︎次代 ⚪︎玲華 禎子   
3 「手にてなす」遠き砲弾春浅し はせべとをる 次代 玲華 禎子  
3 城山の老木なでて桜守 佐藤正代 主宰 加津 次代  
3 佐保姫のゆつくり上る九十九折 吉水翔並 ひろ子 正代 けい子  
3 片栗や鎮守の森のうすあかり 吉水翔並 ⚪︎加津 次代 玲華  
3 春の日や畔を見回る人の影 佐藤玲華 主宰 つとむ 次代  
3 夜すがらを雪の灯りに雛の宴 渡部次代 主宰 つとむ 真知子  
3 一日の留守に里山春きざす 渡部次代 主宰 つとむ とをる  
3 身を守るだけの暮しや水温む 竹田ひろ子 つとむ 綾子 玲華  
3 のどけしや君主の居らぬ天守閣 田中一美 主宰 ⚪︎綾子 玲華  
3 羊水のやうなる池や蛙の子 田中一美 禎子 ⚪︎正代 真知子  
3 しやぼん玉子等の頭上のホバリング 河村啓花 禎子 けい子 とをる  
2 芽やなぎや友待つ里の雪深き 渡部次代 加津 とをる  
2 春蘭や守秘義務といふ重き言 阿部綾子 ひろ子 けい子  
2 寒厨物言いたげに煮干の目 加藤けい子 禎子 正代  
2 薄氷やいのちの際のほの明り 加藤けい子 つとむ 真知子  
2 風光る日本を背負いしユニホーム 高梨真知子 綾子 けい子  
2 春の蝿のの字を描いて闇に溶け 高梨真知子 次代 けい子  
2 刹那とはもろきものなり梅さけり 降幡加津 ⚪︎禎子 真知子  
2 涅槃図の虎の睨みは恐ろしく 降幡加津 ひろ子 禎子  
2 雛の日に逝きし作家を偲びけり 金子つとむ 綾子 とをる  
2 享保雛守り伝はる出羽旧家 池内結 加津 真知子  
2 こもぬちの莞爾と笑まふ冬牡丹 池内結 加津 玲華  
2 蒼穹の天へ白鳥北帰行 池内結 ひろ子 ⚪︎つとむ  
2 思へる事の証に込める吊り雛 吉田克美 加津 綾子  
2 きさらぎや指の欠けたる石仏 中島讃良 加津 正代  
2 千年の法灯を守る彼岸寺 中島讃良 玲華 けい子  
1 ゆかり力士小結死守し春場所へ 佐藤玲華 加津  
1 暖かし猫のハウスは窓の側 あだち禎子 正代  
1 春うららバッキンガムの守衛兵 吉水翔並 ⚪︎けい子  
1 チューリップそろそろ補聴器必要ね 田中一美 加津  
1 私の肩で泣いていいのよシクラメン 佐藤正代 真知子  
1 チューリップ妬み心は仔犬にも 佐藤正代 けい子  
1 八十の新居北窓開きけり 佐藤正代 主宰  
1 守りしが守られているおまんだら 加藤けい子 ひろ子  
1 ぶらんこに決まらぬこころ預けおり 加藤けい子 真知子  
1 墓守の里は静かに春迎え はせべとをる 主宰  
1 彼岸会や本家を守る六代目 佐藤玲華 主宰  
1 花便り白猫ひねもす顔洗ふ 阿部綾子 ひろ子  
1 攻めよりも守りを固め春愁 金子つとむ けい子  
1 守護神は蒲公英ならむ絮も舞ひ すずき巴里 綾子  
1 舞ひ上る天使となりて鳥帰る 金田けいし けい子  
1 目白来て早咲き櫻にぎやかに 金田けいし 禎子  
1 風に乗る蹄のリズム牧開き 金田けいし 禎子  
1 雛の間の開け放されし萱の屋根 佐藤弘香 主宰  
1 春愁やぎゆつと握りし守り札 佐藤弘香 綾子  
1 コロナ禍の留守居もよろし黄水仙 河村啓花 玲華  
1 よく食べてよく動く幸しじみじる 河村啓花 ひろ子  
1 雛あられ今宵は酒の肴とす 中島讃良 ⚪︎主宰  
1 蕗味噌や片目でよろし目玉焼 竹田ひろ子 綾子  
1 バレンタイン送りし君がワンと鳴き 高梨真知子 正代  

句会3月メモ

   ○主宰特選
      
      特選 中島讃良 雛あられ今宵は酒の肴とす
            選評 心身ともに満ち足りた今は、思い出こそが何よりの馳走。
               今宵の雛あられで心満ちるのである。

      特選 佐藤弘香 覗き見る雑魚や藻草や春の水
            選評 春の小川の歌が思わず口をついて出る小川のほとり。
               情況描写もリズム感も心地良い。
      
      特選 吉水翔並 誰がためと言はず老妻雛飾り
            選評 幾たび飾られてきたお雛様だろうか。今は妻自身の宵節句でよい。
               何も語らずとも作者も妻も心に思いながらの雛祭が深く温かい。

令和5年4月句会  兼題  『 土 』 吉田克美さん出題です。
        次回  令和5年4月20日(木曜日)
        会場  ゑくぼプラザ