■日時: 平成30年5月10日(木)  ■句会場: 流山市東部公民館  ■兼題: 無  ■参加者: 16名

合点 作      品 作 者 選     者
7 代田みな筑波の峰の空を置く 石川寿夫 貞雄 美智子 ひろし 久美 鷹乃 節子 むつみ  
6 口笛が路地を曲りぬ柿若葉 川上久美 〇貞雄 寿夫 万里 欣也 〇鷹乃 節子  
6 調律を終へし順より夏鶯 田中貞雄 〇寿夫 いさむ 〇万里 久美 欣也 節子  
6 今年の牡丹亡き子の髻華(うず)に良き牡丹 鳥居美智子 貞雄 久美 節子 鷹乃 むつみ 青史  
5 無聊なるわが身委ぬる青葉闇 田中貞雄 美智子  寿夫  久美  〇欣也  鷹乃  
4 つばめの子手斧削りの黒き梁 石川寿夫 美智子  欣也  節子  青史  
4 独り居の無題の余生夏来る 佐藤弘香 貞雄  美智子  〇いさむ  久美  
4 無住寺の檀家出揃ひ簀戸洗ふ 小泉欣也 〇貞雄 寿夫 〇ひろし むつみ  
4 日日草明日といふ日の来ぬことも 山青史 貞雄  美智子  ひろし  久美  
3 泡盛や憂い無くとは思わねど あかさか鷹乃 貞雄  ひろし  むつみ  
3 白日傘影をくっきり連れて行く 石田かし子 〇美智子  久美  〇むつみ  
3 薫風や劣化の耳石道迷う いさむ 貞雄  万里  欣也  
3 田起しの農夫のあとを鴉二羽 鈴木幸江 〇美智子  ひろし  〇節子  
3 メーデーや通勤通学普段の日 入江節子 貞雄  寿夫  むつみ  
3 さらけ出し無になれよとぞ星涼し 古俣万里 いさむ  〇久美  鷹乃  
3 黄楊の花こぼれてよりの月日かな 鳥居美智子 寿夫  欣也  節子  
2 相承の御匙の薬研樟若葉 小泉欣也 むつみ  鷹乃  
2 介錯無残つばきころりと落ちにけり 山青史 美智子  むつみ  
2 麝香揚羽茱萸満開のユートピア 本島むつみ 貞雄   美智子 
2 菖蒲湯の兄弟喧嘩埒も無や 本島むつみ 寿夫  万里  
2 栗の花団地出てゆく救急車 あかさか鷹乃 ひろし  〇青史  
2 白無垢を咲き継ぐさだめ夏椿 石川寿夫 美智子  いさむ  
2 いくたびも立休みして浅蜊掘る 田中貞雄 美智子  寿夫  
2 有り無し風に卯の花垣香る 川上久美 美智子  寿夫  
2 生垣に「どうぞ…」との札夏ミカン 上原ひろし 万里  欣也  
2 レースカーテン躍らせている青田風 石田かし子 寿夫  節子  
2 渡御の道雨降り出して乱れなし 佐藤弘香 貞雄  〇美智子  
2 青嵐力漲る二刀流 鈴木幸江 寿夫  青史  
2 無理無体言うて母病むカーネーション 佐藤弘香 貞雄  〇美智子 
2 葉桜の風の喝采子のサッカー 石川寿夫 美智子  欣也  
2 石菖や漢方に得し無病の妙 上原ひろし 美智子  いさむ  
1 戦国の兜重さう武者人形 佐藤弘香 いさむ  
1 女子ゴルファー胸へまぶしく風薫る 石田かし子 青史  
1 無茶苦茶で滅茶苦茶普段の日 入江節子 貞雄  
1 冷たさの指と触れあう卯月雨 鈴木幸江 〇美智子   
1 新緑のぐんぐん昇る昼の月 入江節子 美智子   
1 越後路は田畑のめぐり車前草 古俣万里 美智子   
1 薄雲を過る機の影春満月 あかさか鷹乃 美智子   
1 五月来る新任教師早や鬱に 山青史 美智子   
1 閂をせし無住寺の散松葉 小泉欣也 いさむ  
1 喪籠りの卯の花腐しひとりの茶 小泉欣也 ひろし  
1 利かん気の入園式や親の汗 覚本秀子 青史  
1 てきぱきと白衣の院や若葉風 石田かし子 いさむ  
1 行人に見向きもされぬ春紫苑 田中貞雄 万里  
1 石舞台薄暑つくづく大自然 上原ひろし 鷹乃  
1 宇宙の微塵我星屑は梅雨間近 いさむ 青史  
1 少年は笑みつつ寡黙青葉風 川上久美 万里  
1 バースデーパーティー果つジョッキの薔薇一輪 上原ひろし 鷹乃  
1 恋未だ知るや知らずや初つばめ 古俣万里 ひろし  
1 行く春や無き母の如凜ならむ 覚本秀子 万里  
1 新緑や亡き人と在る夢路かな 古俣万里 美智子  

平成30年5月 つげ句会 特選句評

田中貞雄 特選

 「口笛が路地を曲りぬ柿若葉」(川上久美)
  柿若葉と口笛の取り合わせに注目した。口笛は、何かを紛らわそうとするときにも吹くが、さまざまな新緑のなかでもみずみずしい柿若葉の中、聞こえてくる掲句の口笛は、楽しさや嬉しさを表現していると感じた。同時に、最近は普通に吹けていた口笛がかすれがちで、加齢していく現象を痛感しつつ選句した。

 「無住寺の檀家出揃ひ簀戸洗ふ」(小泉欣也)
  住職のいない寺の檀家の有志が夏仕度をしている風景を詠まれた。「簀戸」は、葭戸ともいい、網戸の類。夏の季語。暗唱している句<簀戸はめて柱も細き思ひかな 虚子>を思い出しながら、最近、無住寺が増えていることと、あまり詠まれていない「簀戸」の季語に惹かれた。



鳥居美智子 特選

 「冷たさの指と触れあう卯月雨」(鈴木幸江)
   季重なりを気にする人もあるでしょうが、私は心惹かれました。

 「渡御の道雨降り出して乱れなし」(佐藤弘香)
   神や天皇のお出ましをお祝いする行事ですから、雨ぐらいのことでは乱れないのでしょう。乱れなし、の言い切りが神事に相応しい作。

 「無理無体言うて母病むカーネーション」(佐藤弘香)
   良い句です。

 「白日傘影をくっきり連れて行く」(石田かし子)
   影は形に添うものですが、このように詠まれると実にすっきりと快いものです。連れて行く、に心情が籠っています。

 「田起しの農夫のあとを鴉二羽」(鈴木幸江)
   何とも微笑ましい光景。土を掘り返すと芋虫や蚯蚓が出て来るのでしょう。鴉も一羽では少し不安なので、二羽で相談しながら付いて回っている様子が見えるようです。



次回:平成30年6月14日(木)     兼題:「天」