■日時: 令和2年3月12日(木)  ■句会場: 流山市東部公民館  ■兼題: 短  ■参加者: 16名

合点 作      品 作 者 選     者
16 短針に憩ふ初蝶花時計 小泉欣也 〇美智子 寿夫 いさむ 久美 節子 青史   
15 芽柳や街道筋の道標 川上久美 美智子 寿夫 閃 かつひろ 枝美子   
15 檣灯の出船入船おぼろかな 小泉欣也 貞雄 美智子 久美 節子 鷹乃  
14 だしぬけに今日は満開白木蘭 あかさか鷹乃 貞雄  美智子  青史  枝美子  
14 すれ違ふこころ更紗木瓜咲いて 佐藤弘香 美智子 寿夫 久美 鷹乃  
14 青き踏むまだ来ぬ返事待ちながら 川上久美 〇貞雄 〇美智子 欣也 かつひろ  
14 分からなくなるも約束鳥曇 あかさか鷹乃 貞雄  美智子  欣也  みみ   
14 立子忌や雛を飾らぬ家となる 田中貞雄 〇むつみ 久美 青史 鷹乃   
14 そよかぜを喚ぶ雪吊を解きし枝 石川寿夫 〇美智子 ○欣也 〇久美 閃  
14 薄氷の罅より戻る水の形 金田けいし 美智子 節子 かつひろ 鷹乃  
14 剪定の脚立こはごは二段まで 山青史 寿夫 いさむ 欣也 〇みみ  
14 天空のととのふ光鳥帰る 金田けいし 美智子  寿夫  閃  〇枝美子  
14 連なりて重なりて山薄霞 入江節子 美智子 久美 むつみ 〇鷹乃  
14 春の日のゆつくり落ちてゆく大地 川上久美 閃  節子  青史  かつひろ  
14 春のコート敷いて武蔵野茶房かな 鳥居美智子 貞雄 〇いさむ  閃  みみ  
13 踏青や犬ましぐらに球を追ふ 石川寿夫 むつみ  〇青史  みみ  
13 残雪のシュプール二対麓へと 入江かつひろ いさむ  欣也  むつみ   
13 出番所に高家のなごり白椿 小泉欣也 〇美智子  青史  みみ  
13 木々の芽に彩り添へる雨となり 金田けいし 美智子  寿夫  〇枝美子  
13 休園の園児と分かつ春一日 佐藤弘香 美智子  枝美子  みみ   
13 小女子の釘煮があれば寸酌す 田中貞雄 美智子  欣也  むつみ  
13 袋屋の旦那は奥に春炬燵 本島むつみ 美智子  閃  鷹乃  
12 和布蕪を刻む三陸の海匂う 入江節子 寿夫  〇閃  
12 芽柳の示し合わせて萌黄色 いさむ 貞雄  美智子  
12 畔焼の炎(ほむら)を背ナに自撮りの娘 山青史 美智子  寿夫  
12 花びらを庭に敷きたる春一番 石川枝美子 寿夫  みみ  
12 星雲の下しんしんと蝌蚪の水 本島むつみ 美智子  鷹乃  
12 菜の花の丘はろばろと生臭き 佐藤弘香 節子  かつひろ  
12 恋の蛇一途に沼を渡りゆく 上原閃 〇美智子  ○節子  
11 前触れのそれとは知らず早桜 あかさか鷹乃 枝美子  
11 夕映えの縞の残雪富士の山 石川枝美子 〇かつひろ  
11 ゴルフボール地虫出づるを躊躇わせ いさむ 欣也  
11 東風吹いて顎紐帽のハイキング いさむ 〇寿夫  
11 平安の雅ぶ一畳雛の燭 石川寿夫 貞雄  
11 春雷や並びて子等の小用足し 上原閃 美智子  
11 明日は晴れ雁つらなりて去り行かむ 山青史 枝美子  
11 昼の月白木蓮が喝采す 田中貞雄 美智子  
11 青軸の一枝ひらかな盛衰記 鳥居美智子 むつみ  
11 春愁脳内袋小路かな 入江節子 〇美智子  
5 「兼題句」手短かに話切り上げ春の野へ 川上久美 美智子 ○いさむ むつみ 青史 みみ  
3 「兼題句」短髪の項吹く風青き踏む 鈴木幸江 〇青史  〇かつひろ  節子  
3 [兼題句」短冊の筆の艶めくしだれ梅 佐藤弘香 貞雄  閃  〇むつみ  
3 「兼題句」過去よりも未来短し雪解道 入江節子 〇美智子  いさむ  鷹乃  
3 「兼題句」全容の刻の短し春の虹 田中貞雄 美智子  ○寿夫  〇欣也   
3 「兼題句」のどけしや長針短針重なりぬ 小泉欣也 美智子  久美  〇節子   
3 「兼題句」短編集貪り読みて春満月 入江かつひろ 貞雄  美智子  いさむ 
2 「兼題句」女房の短所は長所春の宵 いさむ 〇美智子  枝美子  
2 「兼題句」うぐひす来短き五年ふみをの忌 あかさか鷹乃  貞雄  美智子  
2 「兼題句」江の島の春や短き戻り舟 鳥居美智子 寿夫  いさむ  
2 「兼題句」雪形の爺さんの脚日々短か 山青史 美智子  久美   
1 「兼題句」短パンの弾む校庭桜東風 石川寿夫 かつひろ  
1 「兼題句」落し角短気の角の剪るを得ず 上原閃 美智子  

令和2年3月12日  つげ句会 特選句評

☆田中貞雄 特選句評
「青き踏むまだ来ぬ返事待ちながら」(川上久美)
   「青き踏む」(踏青)は、新しく芽生えた青草を踏みながらの野遊びである。掲句は、多様な野遊びの中でも、ウオーキング中の所産と想像している。「まだ来ぬ返事」の内容は解らないが、春の日を浴びながら、吉報の返事を確信しているように受け止めている。

☆鳥居美智子・特選句評
 「恋の蛇一途に沼を渡りゆく」(上原閃)
  内容は魅力的ですが、「恋の蛇」は、色々と調べてみしましたが、歳時記には何処にも載っていません。 「恋の蛇出でて一途に沼渡る」では、いかがでしょうか。

☆石川寿夫・特選句評
「東風吹きて顎紐帽のハイキング」(いさむ)
  「東風」と「幼児」の取合せが好い。「あごひも」に焦点を当てた明るさと健康への思い遣りをうたいあげて心地良い。

 「全容の刻の短し春の虹」(田中貞雄)
   向島へむかう夕刻。隅田川沿いの満開の桜並木の空に虹がかかり、消え去った刻を今でも想い起こす。「全容の刻」が巧み。
  
☆当日出席者の評
小泉欣也特選
「そよかぜを喚ぶ雪吊を解きし枝」(石川寿夫)
  兼六園の松の雪吊が取り外されると、北陸に春が訪れると言われている。雪吊を解かれた松の枝が、そよ風の中、自由を謳歌するように青空に揺れている。

「全容の刻の短し春の虹」(田中貞雄)
  春の虹は、春初めて立つ虹のことで、「初虹」とも言われる。夏の虹に比べて、儚く寸時に消える。春の虹の特徴を「全容の刻の短し」と表現した措辞に惹かれた。

川上久美特選
「そよかぜを喚ぶ雪吊を解きし枝」(川上久美)
  雪吊から解放された枝枝がそよかぜを喚んでいるという、なんとも明るい、楽しい句。春が来た喜びが溢れている。
  
あかさか鷹乃特選
「連なりて重なりて山薄霞」(入江節子)
   「連なる」は横方向。「重なる」は、前へ前へ後へ後へ。墨で描いたような景色。視線をゆっくり動かして、改めて日本てなんて美しい国だ思う。淡い色合いに、山国にも春が来たと実感している。リフレインがあって、中七でスパッと切れているのが気持いい。



次  回 : 令和 2 年 4 月 9 日 (木)
句会場  : 流山市東部公民館
兼  題 : 「  開  」
特  記 : HP上の句会報は、句会後1ヶ月のみ、兼題句には「兼題句」を付します。
        自由題句の合点は二桁表示とし、翌月更新時に平常表記に訂正します。