■日時: 令和2年1月9日(木)  ■句会場: 流山市東部公民館  ■兼題: 水  ■参加者: 18名

合点 作      品 作 者 選     者
18 名刹に憚りもなき干大根 小泉欣也 貞雄 ○美智子 寿夫 いさむ むつみ 久美 かつひろ 鷹乃  
17 賑やかを幸のひとつに初日記 入江節子 貞雄 美智子 閃 〇久美 むつみ かつひろ 鷹乃  
17 猫とゐて猫にかしづく事始 佐藤弘香 貞雄 美智子 欣也 閃 むつみ 節子 青史   
16 若水に触るれば星座揺らぎけり 山青史 美智子 閃 〇節子 かつひろ 〇鷹乃 石川枝美子  
15 枯木山飄々として温かき 佐藤弘香 貞雄 美智子 むつみ 鷹乃 石川枝美子  
15 初富士や海賊船を入れて撮る 田中貞雄 美智子 寿夫 〇いさむ 欣也 〇青史  
15 寒晴れの窓積み上げて副都心 金田けいし 貞雄 寿夫 欣也 むつみ 節子  
14 上流の消息秘めて冬の川 本島むつみ ○美智子 ○閃 久美 節子  
14 正月のしたり顔して雀来る 小泉欣也 ○美智子 寿夫 閃 〇むつみ  
14 福寿草アナログのまま八十路来て 石川寿夫 欣也 閃 久美 かつひろ    
14 タピオカをさぐるストロー梅見茶屋 上原みみ 寿夫 いさむ 〇青史 ○石川枝美子  
13 玉砕も瓦全も御霊寒椿 鳥居美智子 寿夫  久美  鷹乃  
12 漆黒の天から湧きし雪の舞う 入江かつひろ ○美智子  石川枝美子  
12 目眩して焦る心の師走かな 覚本秀子 美智子 かつひろ  
12 冬山の救助隊員ザイル解く 金田けいし 寿夫  いさむ  
12 凍てつきし路傍の猫の親となる 石川枝美子 ○美智子  欣也  
12 成人の証し狐の白ショール 山青史 ○欣也  石川枝美子    
12 日向ぼこ障子の影に大欠伸 石川枝美子 閃  節子  
12 紫の真夜にほつそり除夜の月 佐藤弘香 ○美智子  むつみ  
12 表面張力かはらけに酌む年の酒 田中貞雄 美智子  久美  
12 深草の九十九通いに積もる雪 石川枝美子 ○貞雄  美智子  
12 笹子来る梅の蕾は饒舌に 石川寿夫 美智子  石川枝美子  
12 糸切れし凧休みをり四つ目垣 川上久美 美智子  ○かつひろ  
12 いくばくも無き残年の初湯かな 山青史 美智子  久美  
12 肩パットいからせし日よちやんちやんこ 上原閃 寿夫  青史  
11 スキー走破橅林抜けて不凍湖へ 入江かつひろ 美智子  
11 三が日沼辺のカフェは閉ぢしまま 川上久美 美智子  
11 内庭に朝日のはしやぐ実千両 石川寿夫 石川枝美子  
11 冬の川辺青鷺白鷲来つ去りつ 本島むつみ 美智子  
11 薄明の凍蝶なぜいまここに 本島むつみ 美智子  
11 枯野道杖つく二人背の光 覚本秀子 美智子  
11 霊山の紫峰の威厳初筑波 いさむ 美智子  
11 トロマグロよりも葱鮪に傾ぐ齢 田中貞雄 美智子  
11 冬朝焼厚底の靴風を切る 鈴木幸江 ○寿夫  
11 初暦書き込む句会日通院日 あかさか鷹乃 ○貞雄  
11 目を開けしやうな気のする臘梅忌 鳥居美智子 寿夫 
11 息凝らすスタート地点二日かな 鈴木幸江 かつひろ  
11 会食の膳に楪添へられて 川上久美 寿夫  
4 兼題句」御先祖へ若水と言ひ供へけり 佐藤弘香 美智子 いさむ 久美 節子   
4 「兼題句」大海は大水鏡初御空 入江節子 ○いさむ 〇欣也 久美 青史   
3 「兼題句」水源の森に豪雪いのち水 入江かつひろ 貞雄  美智子  〇むつみ   
3 「兼題句」香を放ち潮騒を喚ぶ野水仙 石川寿夫 ○美智子  節子  石川枝美子   
3 「兼題句」水月の沼白鳥の首の影 小泉欣也 ○寿夫 〇節子 鷹乃   
3 「兼題句」酔覚めの即効薬か寒の水 田中貞雄 いさむ  欣也 〇かつひろ   
3 「兼題句」青銅の水差をもて初硯 川上久美 美智子 いさむ  青史   
2 「兼題句」強風裡燈台足下に水仙花 上原閃 貞雄  寿夫   
2 「兼題句」柚子熟るる多摩の用水歩み板 金田けいし 美智子  閃   
2 「兼題句」枯芥下げ一級河川の水位計 本島むつみ 青史  鷹乃   
2 「兼題句」朝日さす薄氷の下光る水 石川枝美子 貞雄  美智子   
2 「兼題句」水底の霊に見せたやこの初日 山青史 美智子  ○鷹乃   
1 「兼題句」煩悩を水に流して除夜の鐘 覚本秀子 美智子  
1 「兼題句」初日の出虹色の水滴の中 あかさか鷹乃 美智子  
1 「兼題句」若水や五臓六腑を浸しゆく 鈴木幸江 美智子  

令和2年1月9日  つげ句会 特選句評

☆田中貞雄 特選句評

「深草の九十九通いに積もる雪」(石川枝美子)
 合評では、この句は小野小町と深草少将との「百夜通い」の伝説を句材に詠まれたとのこと。だが、深草の地名と、うろ覚えの和歌から、京都伏見の「深草の里」を連想し、伏見大仏周辺を散策した往時が懐かしく蘇った。<夕されば野辺の秋風身にしみて鶉鳴くなり深草の里 藤原俊成>
   
「初暦書き込む句会日通院日」(あかさか鷹乃)
  毎年行っている暦開きに記載する事項は各人異なるが、掲句は、加齢とともに診察を受ける機会が多くなり、通院と句会が主要行事?となっている私と同様の訴えで、句の善し悪しを離れて共感した。

☆鳥居美智子 特選句評

「名刹に憚りもなき干大根」(小泉欣也)
   何故かしら怯みました。俗を超越した世界のようですね。

「正月のしたり顔して雀来る」(小泉欣也)   もっともらしい得意そうな顔が見えるようです。

「凍てつきし路傍の猫の親となる」(石川枝美子)  わかる!

「上流の消息秘めて冬の川」(本島むつみ)     手名槌、足名槌を思い出します。
     (入力者注:アシナヅチ、テナヅチはヤマタノオロチ退治の説話に登場する夫婦神)

「漆黒の天から湧きし雪の舞う」(入江かつひろ)    墨絵の名画を見るよう。

☆石川寿夫・特選句評

「冬朝焼厚底の靴風を切る」(鈴木幸江)
  富士であろうか。高山で荘厳な日の出を迎え一望するため歩を進める。険しい登山道を制してきた頼もしい登山靴。早暁の風が心地良い。

「水月の沼白鳥の首の影」(小泉欣也)
  沼面に映る月が神秘的な光を放っている。おぼろげに白鳥の影が浮かぶ。望郷の夢路を辿る白鳥。
  
☆当日出席者の評

小泉欣也特選

「成人の証し狐の白ショール」(山青史)
  狐のショールと振袖姿、まさに成人となった初々しい女性のいでたち。責任ある自立した社会人として、女性力を存分に発揮し、より良い社会づくりに大いに貢献して欲しい。

「大海は大水鏡初御空」 (入江節子)
  元日の晴天のもと、さざ波一つ無く、一面鏡のような海。節子さんの故里の四国の海か。新年を迎え、今年もこの海のように平穏無事であって欲しい。スケールの大きい句である

川上久美特選

「賑やかを幸のひとつに初日記」(入江節子)
  健康で子や孫が集まるお正月。何よりの幸せだ。初日記には先ずこれを記さねば。平凡だけれどほのぼのとして、読み手もうれしくなる。
  
あかさか鷹乃特選

「若水に触るれば星座揺らぎけり」(山青史)
  誰が触れて行ったのだろう、風だろうか。キーンと冴えわたる夜空にある星々が蹲踞の若水に映って、いくらか揺らいだように感じた。新しい年が始まったのだ。季感充分、ロマンがあっていいと思った。

「水底の霊にみせたやこの初日」(山青史)
  75年前の戦争で、無念にも南海や日本近海で、海に沈められ今もそこに余儀なく横たわっている人々。若しくはもう9年になるが、東北の海に見つけられずにいる人々。決して忘れてはならない。どういう訳で私は今も生きていて、どういう訳であの方たちに過酷な日が来てしまったのか。 表現はまさにストレート、内容に胸を打たれた。初日が眩しい。
  


次  回 : 令和 2 年 2 月 13 日 (木)

句会場 : 流山市東部公民館

兼  題 : 「  宮  」

特  記 : HP上の句会報は、句会後1ヶ月のみ、兼題句には「兼題句」を付します。
        自由題句の合点は二桁表示とし、ともに翌月更新時に平常表記に訂正します。