■日時: 令和元年5月9日(木)  ■句会場: 流山市東部公民館  ■兼題: 有  ■参加者: 14名

合点 作      品 作 者 選     者
14 カンテラに生きてる昭和夜釣舟 山青史 いさむ ひろし むつみ 鷹乃  
14 天辺の孤独好むや朴の花 本島むつみ 美智子 寿夫  〇ひろし  〇久美  
14 薔薇を剪るわがこころ斬る痛みもて 山青史 貞雄 寿夫 〇いさむ ひろし  
14 贅沢に藤の緞帳磨崖仏 田中貞雄 美智子 いさむ  欣也  むつみ  
13 金蘭を結界として古墳群 小泉欣也 〇美智子  いさむ  久美  
13 風薫る七福神の朱印得て 田中貞雄 寿夫  いさむ  鷹乃  
13 萍を見に行かうかと手をつなぐ 鳥居美智子 いさむ  久美  〇むつみ  
13 夜蜘蛛来る由々しきことを告げむとや 山青史 貞雄  〇美智子  むつみ  
13 お休みのパン工房や棕櫚の花 本島むつみ 貞雄  美智子   青史  
13 老鶯の笛の重奏古寺の森 石川寿夫 貞雄 ひろし 久美  
13 玉解きし芍薬に風あふれけり 小泉欣也 美智子  〇寿夫  ひろし  
12 水底の迷路あらはや蜷の道 川上久美 ひろし  むつみ  
12 つつじ燃ゆ参道長き一の宮 上原ひろし 美智子  寿夫  
12 バス通り五丁目並木の橡の花 本島むつみ 美智子  〇鷹乃  
12 湯にひたり宇宙遊泳青葉冷 あかさか鷹乃 ひろし  青史  
12 四月の雪果報と仰ぐ大桜 鳥居美智子 寿夫  鷹乃  
12 シルバーの仕事へ急ぐ子供の日 佐藤弘香 貞雄  欣也  
12 九十九里初夏の波音重ねをり 小泉欣也 美智子  寿夫  
12 ベランダは隣家の藤の花見席 田中貞雄 欣也  久美  
12 鉛筆を持ちはじめたりチューリップ 上原みみ 貞雄  欣也  
12 笛太鼓おかめひよつとこ山車軋む 佐藤弘香 青史  鷹乃  
12 夜一夜日一日と緑さす あかさか鷹乃 寿夫  欣也  
12 朝の陽に真新な胸燕の子 あかさか鷹乃 美智子  むつみ  
11 外れては戻る烏の親子連れ 入江節子 美智子   
11 薫風へ海光返す貝風鈴 石川寿夫 美智子  
11 白牡丹朝日放さぬ金の蕊 石川寿夫 美智子  
11 風白く白新しく水芭蕉 入江節子 美智子  
11 囀りの大樹の下を語り行く いさむ 寿夫  
11 春落葉風当り強き日々のあり 鈴木幸江 鷹乃  
11 行く春や皇居を望む遠眼差 佐藤弘香 〇貞雄  
11 枯れゆくを独りは淋し竹の秋 川上久美 青史  
11 拙なさも個性となりし初夏狭庭 いさむ 寿夫  
11 機嫌良き藤の静かへ橋渡る 鳥居美智子 久美  
11 額の花闇夜に雨を探しゆく いさむ 〇欣也  
5 「兼題句」蛇交む買手のつかぬ国有地 小泉欣也 〇貞雄 〇美智子 〇ひろし 青史 〇鷹乃  
5 「兼題句」白湯通るのど有難しみどりの日 鳥居美智子 寿夫 〇欣也 久美 むつみ 〇青史  
4 「兼題句」母の日やありがとうを有難う 入江節子 美智子 〇いさむ 〇久美 〇むつみ  
2 「兼題句」有り合せとて筍に糠までも 本島むつみ 貞雄  青史  
2 「兼題句」有り無しの風の好日春女苑 あかさか鷹乃 貞雄  美智子  
2 「兼題句」有り無しの風にポピーの応へをり 川上久美 美智子  いさむ  
2 「兼題句」様変る有楽町や風薫る 鈴木幸江 〇寿夫  欣也  
1 「兼題句」有季とふ手枷足枷薔薇の棘 山青史 鷹乃  
1 「兼題句」有明の湖へ老鶯きそひ啼く 石川寿夫 美智子  

平成31年5月 つげ句会・特選句評  
                                         
田 中 貞 雄 選

 「行く春や皇居を望む遠眼差」(佐藤弘香)
 行く春は春との別れ、五月一日平成から令和になった今年は、平成時代との別れである。この句を観賞しながら、一般公開の乾通りの紅葉狩の体験や千鳥ヶ淵の桜狩が思い出された。また「俳句の成否は季語の選択にある」と言われるが、「行く春や」の季語に感心した。

 兼題句特選(兼題・有)
「蛇交む買手のつかぬ国有地」(小泉欣也)
蛇が交む気配のする草叢。蛇が去った後すぐしなやかに立ち直って風に揺れている。こんな用地を想像しながら、現役の頃、「県有未利用地」の活用の職務に携わったので、「買手のつかぬ国有地」の訴えを深刻に受け止めた。



鳥 居 美 智 子 選

 「金蘭を結界として古墳群」(小泉欣也)
  昭和三十年代は南柏の駅前から歩くと、金蘭が道の両側に点々と咲いていました。団地まで歩く間に、「ママおしっこ!」と言われるとお母さん達は小さな子を抱きあげて「シーッ」と小用を済ませていました。その奥に何があったかはわかりませんが、往来の芒の中へ勢い良く飛び散って行く先にも点々と金蘭が咲いていました。
 「金蘭を結界として」その先に古墳群のあるのは決してめずらしいことではなかったでしょう。今昔物語の中の一齣のように大らかな景が見えるようです。

「夜蜘蛛来る由々しきことを告げむとや」(山青史)
 朝の蜘蛛は神の使い、夜の蜘蛛は泥棒の使いなどと言って必ず追い出していましたっけ。昔は灯が小さくてゆらゆら揺れますから源の頼光でも大げさに退治する由々しき物の怪だったでしょう。悪寒の走るような怖さです。

兼題句特選(兼題・有)
  「蛇交む買手のつかぬ国有地」(小泉欣也)
   浜松の蜆塚という小高い丘に住んでいた頃、朝夕、佐鳴湖まで犬の散歩をしていましたが、本当に蛇の多いところでした。築山殿始末の地でもあり、大蛇がバレーボール位の大きさの丸い塊になって交んでいる様は全く身の毛のよだつおそろしさでした。「国有地」が何とも異様な雰囲気で不気味です。


次  回 : 令和元年 6 月 13 日 (木) 流山市東部公民館

兼  題 : 「 清 」 

特  記 :句会報については、 特選句を兼題からも選ぶこととしておりますので、
       HP上では、見易さ考慮して、句会後の一ヶ月間のみ以下のようにします。
      〇自由題句は、合点を二ケタ表示します。
〇兼題句は、作品の前に「兼題句」を付します。
〇翌月の句会報掲載直前に、合点表示と兼題句表示とを訂正し、ろんどのHP上の「検索」に支障のないように致します。