■日時: 平成30年7月12日(木)  ■句会場: 流山市東部公民館  ■兼題: 房  ■参加者: 15名

合点 作      品 作 者 選     者
6 白飛白谷中に寺と坂いくつ 小泉欣也 貞雄  美智子 〇寿夫  久美  青史  鷹乃    
5 沙羅一花ともる知覧の武家屋敷 小泉欣也 貞雄 〇美智子 〇寿夫 久美 〇ひろし     
4 アルプスの牛の乳房よ夏薊 本島むつみ 美智子  寿夫  いさむ  〇欣也  
4 厨房や朝涼混ぜるケーキ生地 石田かし子 美智子  寿夫  いさむ  久美  
4 万緑を揺らして遊ぶ池の鯉 石川寿夫 美智子 いさむ  鷹乃 青史    
3 蛇口細目におつとり冷す水蜜桃 鳥居美智子 寿夫  鷹乃  〇むつみ    
3 半夏生駅を挟んで雨ひなた 入江節子 〇貞雄  美智子  鷹乃     
3 遠郭公余白埋むる声と聴く 川上久美 貞雄  寿夫  ひろし     
3 打水や緑茶商ふ蔵茶房 小泉欣也 寿夫  むつみ  青史  
3 七夕や笹竹切りし肥後守 石川寿夫 美智子  ひろし   青史 
3 マロニエ通り森雅之のパナマ帽 鳥居美智子 貞雄  寿夫  欣也    
3 出水禍の目を覆ひたきランドセル 田中貞雄 寿夫  欣也  青史 
3 厨房の匂いや母の焼茄子 入江節子 美智子  久美  ひろし  
2 一瞬の夢描く水面花火の輪 石田かし子 美智子  いさむ  
2 独り寝の閨房なれば裸なり 山青史 貞雄  欣也  
2 夏草に試されてゐる齢かな 川上久美 いさむ  ひろし  
2 をんな手が押し切る出刃や鰹売 上原ひろし 美智子  鷹乃  
2 ひまわりの影にみなぎる力あり 石田かし子 寿夫  ひろし  
2 ちりちりと焼くる肌の夏祓 あかさか鷹乃 寿夫  欣也  
2 ひと箸の酸味のひかる心太 石田かし子 久美  むつみ    
2 至福たり山房に聴く杜鵑 上原ひろし 美智子  久美     
2 信じたき心ざわざわ羽蟻の夜 本島むつみ 美智子  〇鷹乃     
2 夏の草妻の乳房の浮き沈み いさむ 美智子  鷹乃   
2 鼠花火シュワッチシュワッチ子らを追ふ 山青史 美智子  いさむ    
2 おもむろに訪ね祭の喜捨を乞ふ 田中貞雄 欣也   むつみ    
2 引き寄する光の鯵よ安房の海 あかさか鷹乃 貞雄  美智子     
2 雨あがり青磁とまがふ四葩なり 本島むつみ 〇美智子  〇いさむ     
2 乱気流衝いて降り立つ虹の島 鳥居美智子 欣也   むつみ    
2 かき氷顳顬(こめかみ)を撃つテロリスト 山青史 〇美智子  ひろし     
2 宵闇の茅の輪の紙垂の白さかな あかさか鷹乃 寿夫   青史   
1 木々揺れてこぼれ浮き立つ恋雀 覚本秀子 美智子  
1 夕焼の雲は洗朱(あらいしゅ)かぜは青 あかさか鷹乃 むつみ  
1 炎天と豪雨列島神の業 覚本秀子 青史  
1 睡蓮の蕾は潜る鰓呼吸 入江節子 美智子  
1 銀座裏衝動買ひのサングラス 小泉欣也 〇美智子  
1 ほととぎす沼の向こうの杜の奥 鈴木幸江 〇美智子  
1 山房や白靴二足の宿泊者 いさむ 美智子  
1 文房具買つて涼むや百均店 田中貞雄 美智子  
1 七夕や笹を手に持つ園児の列 佐藤弘香 青史  
1 口ついて出る唄蛍追ひたれば 川上久美 むつみ  
1 生かさるる夏日の怖し水恐し 佐藤弘香 むつみ  
1 桃狩や稚児のお尻を丸かじり いさむ ひろし  
1 武装する温泉女将草刈女 入江節子 貞雄  
1 門見ゆる遠きだらだら坂炎暑 佐藤弘香 〇久美  
1 質店のショーウインドウ夕焼空 鈴木幸江 鷹乃  
1 枇杷すする安房は近くて遠き国 いさむ 欣也     
1 睡魔来て針目のかすむ夏工房 佐藤弘香 久美    
1 踊りの輪呼吸の合ひし笛太鼓 石川寿夫 いさむ    

田中貞雄 特選

 「半夏生駅を挟んで雨ひなた」 (入江節子)
 通称天気雨。太陽がでて空は晴れているのに雨が降っている。この句の焦点は駅。トンネルの多いわが町(横須賀)では短いトンネルを挟んで、ひととき天候が分かれるが、天気雨は四季を通じて発生する。
この句は、半夏生の蒸し暑くなる7月のはじめの頃、梅雨時の暗い空模様に吹く風を「黒南風」、梅雨の晴れ間や梅雨明け後の明るい風を「白南風」と言うこの微妙な気象時の季語の斡旋に注目した。



鳥居美智子 特選

 「銀座裏衝動買ひのサングラス」(小泉欣也)
  場所とサングラスと衝動的とたたみこまれて、つい買ってしまった、買ってすぐ後悔しそうな微妙な心の有り様がほろ苦く伝わってきます。

 「雨あがり青磁とまがふ四葩かな」(本島むつみ)
  雨と紫陽花という見馴れた素材なのに、すかっとしています。饒舌にならなかったのはご立派です。

 「ほととぎす杜の向こうの沼の奥」(鈴木幸江)
  東京特許許可局から電報が来たような楽しい気分になりました。

 「沙羅一花ともる知覧の武家屋敷」(小泉欣也)
  仏教と大和魂と武士道がひとつになって、ぽっと花開いたような、さびしい潔さに身震いしました。

 「かき氷顳顬を打つテロリスト」(山青史)
   若い頃には何ともなかったのに四十代五十代になってかき氷をかき込んだ時の驚き、まさに顳顬に一発打ち込まれたかと思うほど、がしんときりきりのくり返しでした。テロリストとはびっくり、でも納得します。(風の盆の夜でした)



次回:平成30年8月9日(木)     兼題:「高」