日時  平成12年10月14日(土)
吟行先  円覚寺、東慶寺周辺
参加者  17名

No.106



 鳥居おさむ主宰 選
 
作      品
作  者 
選        者  
秀逸 風白くぬける蜘蛛の囲十重二十重 田中一美 一色 〇なつ
燃ゆる身を焦がしてやまぬ鶏頭花 名古屋 満 けんじ ふみを 〇貞雄 〇是空
尼寺や異人種めきて紅芙蓉 芹山 桂 美智子 けんじ 
実紫駈込寺の庇護の艶 田中一美 美智子 貞雄 是空 〇トモ
走り根の息をしている秋の風 中村是空  
竹の春雲の渚に寝ころびぬ 名古屋 満 ふみを
陽の強く金木犀を粉々に 遠藤けんじ ふみを 貞雄
水引の揺るるひとすじ照り翳り 中田のぶ子 ユリ
佳作 柔らかな光がはねて冬さくら 佐々木なつ
たまゆらの陽に透け十月桜かな 芹山 桂 美智子 ふみを けんじ 宏枝 
柏槙の魂の浮遊の秋日爆ず 神戸京子 けんじ ユリ なつ
段菊の淡き身丈や竹の春 神戸京子 美智子 〇政子 エリカ
黒猫の道案内や檪の実 山本エリカ 美智子
美しき血の一滴とみる秋珊瑚 秋山ユリ けんじ
芥焚く煙のひかり冬桜 中島宏枝 美智子 桂
洪鐘の七百年の冷えを掌に 中田のぶ子 ふみを 貞雄 桂 満 一色 なつ
思惟仏の首重くする薄紅葉 神戸京子  
風入れに出逢う宝物秋気澄む 佐藤一色 桂 エリカ
爽やかや畳の香立つ開山忌 中田のぶ子 〇美智子 〇ふみを 貞雄
桂〇宏枝
幾度やそれぞれの秋百観音 田上トモ ユリ 一色
尼寺の紫式部白式部 遠藤けんじ 美智子
縁切寺の蟷螂鎌をかくすかな 中島宏枝 〇美智子 桂 京子
洪鐘を撞き秋の蚊を吐き出さす 遠藤けんじ 〇ユリ 一色
秋風の忘れておりし蝉の穴 中村是空  
尼寺の午後の華やぎ酔芙蓉 神戸京子 美智子 〇けんじ 〇桂 エリカ
紫の次は淋しき白式部 中村是空  
香煙をまとひ銀杏拾ふかな 芹山 桂  
人集う一本だけの冬ざくら 佐々木なつ ふみを
蟷螂の縁切寺の思案かな 秋山ユリ 〇美智子 けんじ
マニキュアの爪につままれ萩しだる 神戸京子 政子
白という秋明菊にある高さ 鈴木直枝 美智子 ふみを なつ 〇一色
茶房かな一茎たかき貴船菊 芹山 桂 美智子 ふみを 
虎頭岩掘り起こされて鵯谺 田中貞雄 美智子 ふみを 〇のぶ子 ユリ
蟷螂の駆け込む速さ東慶寺 中田のぶ子
十月桜雲のかたちのすぐ変る 遠藤けんじ 〇美智子 〇ふみを 貞雄
紫苑長けた谷の夕日の位にならひ 田中貞雄 美智子 京子 なつ
茶の花をひしと抱くや蝉の殻 芹山 桂 美智子

 

 主  宰  選  外
  作    品 作  者 選    者
  はすかひに秋光通す大柏槙 遠藤けんじ 美智子 〇貞雄
  十月桜縁切寺に人を待つ 神戸京子 美智子 けんじ 桂 満
  谷の音落ちて踏まれて木の実かな 田中一美 ふみを 貞雄
  紫はかくあるべしと式部の実 中村是空 美智子 直枝
  羊雲羽織りし鎌倉二位の山 菅野雅生 〇美智子 〇けんじ 満
  ゆらゆらと川面に写る萩の花 田上トモ 美智子
  昼の虫百観音のみな優し 中田のぶ子 美智子 けんじ
  駆け込みの女人の化粧紅芙蓉 鈴木直枝
  鰯雲出て秋天の完成す 中村是空 美智子 宏枝
  どんぐりの小道夢二の猫歩む 秋山ユリ 美智子 けんじ 〇桂
  塔頭の日の静けさにさねかずら 中島宏枝 美智子 けんじ 貞雄 満
  柏槙の蘇生育む秋日和 塚本政子 美智子 貞雄 トモ
  山日来て蟷螂青を捨て切れず 田中貞雄 美智子 ふみを
  秋草の様に在すや観世音 芹山 桂 美智子 貞雄 のぶ子 是空
  山に入る光のこぼれ網鬼灯 中島宏枝 美智子 けんじ 京子 のぶ子 
  ドキドキの心和ますいわし雲 田上トモ
  フラッシュにたかぶる素振りみむらさき 鈴木直枝 貞雄 のぶ子
  尼寺や想ひの丈の紫苑佇つ 芹山 桂 けんじ 貞雄 京子 宏枝
  金木犀吹かれて大地の昼銀河 田中一美 貞雄 
  木犀の花を敷きしむため掃く 田中貞雄 〇京子 政子
  メロデーあふれ方円の実むらさき 秋山ユリ 貞雄 のぶ子 直枝
  暗黙の閻王のこゑ銀杏落つ 田中貞雄 桂 直枝 トモ
  銀杏の実を降らす風栗鼠の風 神戸京子 貞雄
  谷戸奥のすでに翳るや秋ざくら 中田のぶ子 けんじ 桂
  去年の実の弾けて谷の秋麗 名古屋 満 〇桂

 

11月吟行
  11月11日(土曜日) 11時 鎌倉駅改札口集合
  コース   鎌倉駅−(バス)−十二所神社−光触寺−明王院−(バス)−鎌倉駅 
  (注)    昼食持参し、運動靴でご参加ください。

【戻る】