NO.107 |
平成12年11月13日(土) |
作 品
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選 者
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峡沿ひに墓並みうねる木の葉雨 | 美智子 |
崖柿の寺守る三段構へかな | |
塩なめて寒き朱を被る地蔵尊 | 京子 |
茅葺の厚き佛心小春寺 | 直枝 政子 |
餌さぐる脚のさみどり小春鷺 | 美智子 なつ |
作 品
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作 者
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選 者
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特選 | 切岸や枯れ始まればやぐら現る | 中田のぶ子 | 祥子 桂 一美 |
踊り念仏めきて銀杏拾いおり | 池田祥子 | 〇美智子 〇けんじ 〇桂 貞雄 〇宏枝 〇麗 京子 克美 |
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秋興や階(きざはし)で割る茹玉子 | 鳥居美智子 | 貞雄 那生 弘香 是空 | |
秀逸 | 谷の空すとんと抜けて柿熟るる | 菅野雅生 | 満 弘香 |
けんけんとぎんなん避けて鐙のぼる | 同 | ||
末成りの縞冷え冷えと烏瓜 | 田中一美 | 美智子 桂 | |
黄葉降る仏と言へる石塊に | 石田快泉 | けんじ 〇雛子 | |
藤蔓の纜の縒り冬に入る | 田中貞雄 | 桂 | |
咳いて音吸はれたる切通し | 秋山しのぶ | 美智子 〇けんじ 克美 | |
佳作 | 筆柿や猫も詩人となる日和 | 中村是空 | けんじ 祥子 〇暢子 一色 雛子 宏枝 |
赤とんぼ竹のそよぎに身を浸す | 福永尚子 | 一夫 | |
寄せ仏あらかた小さし石蕗日和 | 後藤那生 | けんじ 祥子 政子 満 幹 〇克美 | |
明王の炎に筆柿の染まるかな | 鳥居美智子 | ||
上人の遊行の手向け銀杏落つ | 鈴木直枝 | 〇祥子 桂 〇貞雄 〇弘香 | |
句づくりの影くっきりと冬障子 | 中田のぶ子 | 是空 | |
銀杏を拾ふに小枝の御箸かな | 秋山しのぶ | 暢子 是空 | |
川涸れて子鷺漁る水位かな | 遠藤けんじ | 雅生 尚子 | |
太刀洗ふ水はくれなゐ紅葉坂 | 中島宏枝 | 桂 | |
石蕗に添ふ男結びの関守石 | 鳥居美智子 | 桂 貞雄 しのぶ のぶ子 宏枝 尚子 | |
白鷺の摺り足見ゆる冬の水 | 中田のぶ子 | 宏枝 克美 | |
さざ波に散る銀杏の葉帆を立てて | 佐藤弘香 | ||
白鷺の昼餉見物小春日和 | 村松 幹 | ||
冬帽子陽の傾きに合はせをり | 芹山 桂 | 〇貞雄 暢子 | |
一遍の衣に寧し冬の蝶 | 鈴木直枝 | 〇尚子 | |
小春日の菊のしとねに蜂うたう | 金子一夫 | 貞雄 | |
滝音は山の心音冬はじめ | 中島宏枝 | 美智子 けんじ 〇祥子 暢子 〇一色 雛子 のぶ子 〇一美 |
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野の花のひとひらとなる秋の蝶 | 石田快泉 | なつ 一夫 | |
小春日や歩幅を正す冠木門 | 塚本政子 | 貞雄 | |
白障子蜂の渡りのおぼつかな | 鈴木直枝 | 那生 | |
鎌倉は石蕗の黄ゆたか石仏 | 石田快泉 | ||
硬軟のグラデーションなり百目柿 | 片岡 麗 | ||
熟柿吸う寄り目となりし蜂の顔 | 名古屋 満 | 美智子 | |
墓石なき墓所にすっくと鶏頭花 | 中村是空 | 美智子 けんじ 一美 | |
藁屋根の照るも翳るも筆の柿 | 吉田克美 | 政子 | |
白鷺の嘴より雫冬日然 | 渋谷雛子 | 〇けんじ |
作 品
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作 者
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選 者
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いのこづち誰にもつかで秋了る | 秋山しのぶ | 〇美智子 貞雄 祥子 のぶ子 尚子 |
襟立てて行く切り通し太刀洗い | 片岡 麗 | 美智子 |
藪道や立行燈の花八つ手 | 田中貞雄 | 美智子 快泉 那生 宏枝 |
ぎんなんを踏んでも今夜茶わんむし | 村松 幹 | 美智子 雅生 |
大文字草小鉢に分けて冬日の香 | 田中貞雄 | 〇美智子 祥子 桂 |
背負籠すぐに尾花の中に消ゆ | 中田のぶ子 | 美智子 〇桂 しのぶ 雛子 |
石蕗は黄に水輪欠けし五輪塔 | 渋谷雛子 | 美智子 祥子 桂 |
甌穴を落葉が示す滑川 | 菅野雅生 | 美智子 一色 |
川涸れてゆるりと鷺の探り足 | 池田祥子 | 美智子 桂 〇満 弘香 |
初冬のやはらかく聴く滝の音 | 中島宏枝 | 美智子 けんじ |
太刀洗ひ黄葉紅葉の吹き溜る | 後藤那生 | 美智子 快泉 |
止め石のぽつねんとある石蕗日和 | 中田のぶ子 | 美智子 祥子 しのぶ |
花八つ手苦しめられし化学式 | 吉田克美 | 美智子 けんじ |
手持無沙汰の関守石や笹子鳴く | 芹山 桂 | 美智子 祥子 京子 |
小春かな水をまさぐる鷺の脚 | 神戸京子 | 祥子 桂 |
からす瓜水音直に残り火を | 福永尚子 | けんじ 幹 |
一遍さん伏してぎんなん賜わりぬ | 吉田克美 | けんじ 暢子 |
ターザンの自慢の蔓の美男鬘 | 同 | けんじ のぶ子 |
山門を入りだしぬけに朴落葉 | 神戸京子 | けんじ 〇しのぶ |
鷺の漁一瞬冬の水光る | 遠藤けんじ | 桂 〇快泉 |
一遍の寺に銀杏の実を踏まず | 神戸京子 | 桂 |
ドラ一打振り返る秋明王院 | 佐藤一色 | 〇桂 快泉 |
裏年の柿に鳥影しきりなる | 石田快泉 | 貞雄 |
小流れの音階綴る秋日和 | 塚本政子 | 貞雄 |
美男蔓峠の空を一人占め | 池田祥子 | 貞雄 |
明王院柿熟るるまま落ちるまま | 遠藤けんじ | 〇貞雄 〇京子 那生 一美 麗 |
十二所の冬日溜りの岩祠 | 田中一美 | 貞雄 |
七五三水掛け地蔵のすぐ乾く | 名古屋 満 | 貞雄 しのぶ 〇那生 一美 |
藁屋根に柿の朱色のやさしかり | 福永尚子 | 貞雄 麗 |
はし使いぎんなん拾う男の背 | 村松 幹 | 〇祥子 〇是空 |