No.109
日時   平成13年1月13日(土)
吟行先  甘縄神社・ 長谷周辺
参加者  24名 入江節子さん 初参加
  13年2月吟行予告■   
  2月10日(土)午前11時  
  鎌倉駅西口改札口集合

  吟行先→長勝寺・安国論寺


                                             ※選句はV同人は全選句、U同人・会員は特選のみ登載
  主 宰 作 品  鳥居おさむ
作         品 
選         者
つつましき石蕗の遅咲き寒詣で 〇美智子 貞雄
冬景色俯瞰のなかの海の色 京子 〇雛子
もののふの産湯の跡や冬芽吹く 美智子 祥子 桂 京子 貞雄 〇雅生
無造作に神鈴振るも寒の紅  
巳の注連の金色冴ゆる海あかり 〇けんじ 祥子
  鳥 居 主 宰 選
  
作     品
作  者
選     者

星空のごと臘梅を仰ぎ居り 福永尚子 祥子
船影をはるかにおさめ冬の凪  同 美智子
太き湯気上げたる寒の製餡所 中田のぶ子 美智子

大銀杏の動脈静脈冬芽立つ 遠藤けんじ  
参磴の踏みくぼみして寒の苔 渋谷雛子 美智子 ふみを けんじ 祥子
寒晴れの天に楝の神楽鈴 鳥居美智子  
製餡の湯気になごみし寒き空 秋山ユリ 〇祥子 貞雄
水仙や臘梅や匂ひ景色なす 中島宏枝  
椨の木の瘤と張り合ふ寒気かな 竹田ひろ子 〇貞雄

大仏の結跏の指や胼ならん 鈴木直枝 桂 貞雄
寒に入るかまくら山のむらさきに 熊谷ふみを  
寒鯛の漁りのぞむ宮居の端 渋谷雛子 ふみを 京子 〇尚子
臘梅の香にまどひをり恋みくじ 神戸京子 けんじ
存分に身をまかせ置く臘梅香 秋山ユリ 貞雄
客(まろうど)に庫裏屋声なき野水仙 秋山しのぶ 〇桂
水仙の風まろく吹く奥の院 名古屋 満  
街灯の根締めの松の淑気かな 池田祥子 〇ふみを 貞雄 〇ひろ子
土牢のお飾りとして黄色き蘭 あかさか鷹乃 美智子
トンネルを突き刺して来る破魔矢かな 熊谷ふみを  
光陰の陰に匂へり臘梅花 中島宏枝 けんじ
臘梅の灯心とけし香の終り 菅野雅生 けんじ 〇祥子 桂
観音の冬涛を聴く御瞳とも 芹山 桂 美智子 けんじ 京子
満開の臘梅総身鼻となる 秋山ユリ  
注連縄の艶もつ縒りも甘縄社 菅野雅生 ふみを
青木の実彩すすめつつ寺普請 田中一美 美智子
松過ぎの賽銭の音ささやかに 竹田ひろ子  
木もれ陽を恋ひてまつ赤に青木の実 中島宏枝  
供花のいろ控え目に冷ゆ土の籠 田中一美 貞雄
太き燭太ゆらぎして初巳かな 熊谷ふみを 美智子 桂 〇京子 〇しのぶ 〇快泉
前世に打たれし瘤や椨冴ゆる 芹山 桂 美智子 祥子
三椏をえらんで結ぶ恋みくじ 福永尚子  
お焚上げ待つ間を達磨瞠りたる 中田のぶ子 貞雄
おしゃべりの口の数ほど花エリカ 名古屋 満  
ドイツパン齧って鎌倉寒の中 秋山しのぶ 美智子 ふみを 〇けんじ 貞雄
餡子屋の湯気は凍てたる雲居まで あかさか鷹乃  
曇天下飯桐の実の枯れて密 田中貞雄
海音の届きて椿ふくらみぬ 秋山ユリ  
かわせみの碧を着膨れ法の庭 芹山 桂 〇直枝
  主 宰 選 外
作        品
作  者
選     者
枯れてより蔓前面に顕はるる 田中貞雄 美智子 ふみを 京子
乳母車押して媼の恵方道 池田祥子 美智子
墓守りのラジオ途切れて山茶花燃ゆ 秋山しのぶ 美智子
ろう梅を嗅げばさらさら血の巡る 名古屋 満 〇美智子 ふみを けんじ 祥子 京子
神鈴振る御輿ヶ嶽の寒の芽へ 渋谷雛子 美智子 ふみを 祥子 桂
臘梅といふ魔女の香を門前に 中田のぶ子 美智子 〇幹
お目当を探してをれば竜の玉 芹山 桂 ふみを
水仙にみな真すぐに疑念なし 石田快泉 〇ふみを
裏山の底冷え伝ふ由緒書 神戸京子 ふみを 祥子
枯蔓の忍び返しに忍び寄る 鳥居美智子 ふみを 京子 〇満
お焚上げ待つ山積の福達磨 池田祥子 けんじ
金剛禅師畏みかしこみ寒の猫 熊谷ふみを けんじ 京子
冬涛も乱世も遠く竜の玉 鳥居美智子 けんじ 桂 〇のぶ子 〇宏枝
寒九かなこれぞ時宗産湯の井 芹山 桂 〇けんじ
冬菊を刈らず焚かずに老仏師 鳥居美智子 けんじ 桂 貞雄 〇一美
産湯には寒九水を汲みあげん 鈴木直枝 けんじ 貞雄
米寿てふ深彫りなぞる花八ッ手 渋谷雛子 けんじ 京子
白々と谷の陽遠し水仙花 遠藤けんじ 〇祥子
凍空や餡屋の湯気の匂い立つ 田中一美 祥子
風船唐綿さはらないでと冬籠り 鳥居美智子 祥子
舞台裏晒すふじ蔓枯の山 田中一美 祥子 桂
底冷えや走り根に足裏いたはれリ 中島宏枝 祥子
白山茶花悔ゆべき心なく散りぬ 鈴木直枝 〇桂
観音の御目の下にしんと凍つ 神戸京子 ふみを 桂
八重以上十二単の白山茶花 村松 幹
土の籠見て臘梅に降りてくる 秋山しのぶ 〇桂
冬帽のひとつひとつが願ひ秘め 秋山しのぶ 桂 貞雄
甘縄社鈴振り鳴らす女正月 名古屋 満 〇京子
神明の紅冴えざえと薮椿 田中一美 〇京子
小豆煮る香が紅梅へ流れけり 田中貞雄 京子
海棠を狂ひ咲かせて恵方寺 田中貞雄 京子
初鈴の願ひ揺らして山は鳴る 村松 幹 京子
凍てし雲織り込み椨の静か 鈴木直枝 〇貞雄
曇天を突き上げ銀杏の芽の固め 菅野雅生 貞雄
板塀を迫り出す梅の走りかな 入江節子  
老木の葉先は凛と凍空に 佐藤一色  

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