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日時 :平成14年3月9日(土)
吟行先:金沢八景(平潟湾周遊)
参加者:29人

次回 平成14年4月吟行予告

合 : 4月13日(土)午前11時
     JR 鎌倉駅(西口改札口)
吟行先: 源氏山
句会場: 若宮大路ビル
TEL: 0467−22−1496

鳥居おさむ主宰作品
作            品
選        者
大榧のしだれて芽吹く古社 ○美智子
春涛を裳裾に飾り琵琶の宮 美智子 ○快泉 ○耕路 啓花
海照りを梳き舟宿の若布干し まさし 祥子 のぶ子 久美
もののふの服かけ石を東風すべる まさし 快泉 よしき 政子
上げ潮に蹤く海猫の舞光風裡 ○貞雄 のぶ子 ○一美 ○弘香


鳥居おさむ主宰選
作       品
作 者
選     者
 特選
日溜りにほぐれし心幣辛夷 河村啓花   
土佐みづき日向みづきと浦の径 中田のぶ子 美智子 けんじ 貞雄 宏枝 雛子
 秀逸 
春潮へ向く大絵馬の駿馬の瞳 田中一美 けんじ 直枝 耕路
八景に木の芽ひかりの陽あまねし 遠藤けんじ ふみを まさし
コンパスをひくモノレール春の湾 秋山しのぶ ○まさし 啓花
けふの空うつし宮司の春衣 舩山東子 のぶ子 雛子
福石の福を真白に花なずな 田中一美 けんじ 貞雄 暢子
福石に海蝕の跡あたたかし 池田祥子 快泉
 佳作
平潟の風をはらむや若布干す 佐々木なつ  
白鷺の首のリズムに温む水 鈴木直枝 美智子 ○雛子 ○暢子
やなぎの芽絹の帽子に風通る 盛戸まりの まさし 快泉
琵琶島の調べこぼれて犬ふぐり 中島宏枝 美智子 ○けんじ 貞雄
野遊びの少年運ぶ薪の束  同  
宮屋根は船底の反り鳥雲に 池田祥子 ふみを 貞雄 宏枝
釣舟の点と消えゆく弥生晴 山田耕路  
浦風のひかり集めて若布干す 中島宏枝 けんじ 快泉
艀まで若布干場となる日和 川上久美 ○まさし ○貞雄 ○雅生
春昼の湾の賑わい蘇鉄咲く 川上久美  
引鴨の入れ替はり寄る潮位標 田中貞雄 ○ふみを 曲水
浜の子のみな縮っ毛幣辛夷 浅見まさし  
山肌の飾りポケット花きぶし 竹田ひろ子 祥子 啓花
貝砂と競う輝きいぬふぐり 池田祥子 ○曲水
置千木の蒼の古色や風光る 菅野雅生 ○祥子
八景の一景かすむ風見鶏 浅見まさし 快泉
雛過ぎのかもめ絣の男松ヶ浜 鳥居美智子 まさし 祥子 直枝 雅生
千年の榧を畏み茎立ちぬ  同 ふみを 祥子 一美
春浅し碇泊船の雑魚寝なる 大西よしき 曲水 祥子 久美 政子
水鳥の餌場になれるとき荒ぶ 石川曲水  
揺蕩(たゆた)うてやがて強東風魚走る 秋山しのぶ 美智子 ○曲水 祥子 ○のぶ子 ○まりの ○よしき 雅生 政子
下萌に子供ころがす海の風 浅見まさし ○ふみを 快泉 貞雄

 

瀬戸神社写真  野島漁港写真

瀬戸神社                                  野島漁港

作            品
作    者
選       者
つり舟の多数をつなぎ長閑なり 塚本政子 美智子
強東風や湾の細波へなへなと 河村啓花 美智子
六浦の津ふる里として百千鳥 山田耕路 ○美智子
平潟湾ひかり集めて松の芯 河村啓花 美智子 けんじ
八景を抜け爛漫の幣辛夷 福永尚子 美智子 曲水
辛夷咲く野島界隈昼餉かな 佐々木なつ 美智子 曲水
かもめらの素敵に遊ぶ忘れ潮 菅野雅生 ○美智子
春潮の浦のたつきの若布揺る 石川曲水 美智子
春光の梢からゆるるゆりの木は 熊谷ふみを 美智子
浜風の曲がる路地や桜草 池田祥子 ○ふみを ○快泉
百千鳥いにしえといふ光かな 盛戸まりの ふみを 雅生
今昔の瀬戸の唐橋若布干す 福永尚子 ふみを
千年の榧を通りし春の日矢 中島宏枝 ふみを 弘香 まりの 直枝
佐殿の禊の磯や白丁字 鳥居美智子 ふみを けんじ
舫い舟浅蜊日向をくゆらせる 鈴木直枝 ふみを
たんぽぽや指一ふしの丈に咲く 渋谷雛子 ふみを
崖椿吹かれて鳶を廻しをり 秋山しのぶ ふみを まさし
福石や拾ふ色良き春落葉 舩山東子 ふみを 曲水 まさし のぶ子 弘香
暢子 なつ 雅生
舟宿をはみ出す下屋や波かげろふ 田中貞雄 ふみを ○祥子
ばらまいたように水鳥湾の春 川上久美 けんじ 快泉
榧の樹の洞に日差し地虫出づ 加賀暢子 けんじ 耕路
憲法草創の地なりや陽炎へり  同 けんじ 快泉
流れとんびの海かたむけて若布干す 鳥居美智子 けんじ 祥子 貞雄
蘇鉄の実海に抛つて一人の餉 浅見まさし けんじ 曲水
平潟の鏡凪して風眩し 石川曲水 ○けんじ ○まさし 祥子 弘香
木五倍子咲く神も島内漁師町 菅野雅生 ○けんじ 祥子 
春昼の鳶湧く山の裾にをり 熊谷ふみを 曲水 快泉
春波の重なり浅き水のふみ 石田快泉 曲水 まりの ○なつ
花辛夷海へひと夜の百灯を 福永尚子 曲水 一美 まりの
繋留の小舟春眠貪りぬ 川上久美 ○曲水 貞雄 一美 耕路 よしき 直枝
虚抱きて朧おぼろと榧古木 神戸京子 曲水 宏枝 直枝 
芽先より鎧を脱ぎぬ猫柳 石田快泉 曲水
木の芽晴親子三代詣でをり 佐々木なつ まさし 快泉
掃くさまに鴎の水に木の芽東風 遠藤けんじ まさし
腰下ろす柳芽吹きの影の椅子 渋谷雛子 まさし
飛蚊症を恐れてゐたり目借時 田中貞雄 まさし 暢子
大榧の苦難の洞に春日差し 田中一美 ○快泉 
八景に初蝶の黄のひらひらす 鳥居美智子 快泉
船宿裏の梯子桟橋東風の笛 田中貞雄 祥子
木蓮の帆先そろへし空の海 遠藤けんじ ○祥子 一美
モノレールの影渡りゆく汐干潟 菅野雅生 祥子 宏枝
強東風の帰帆橋てふ手摺撫づ 渋谷雛子 貞雄
海凪いで声高に咲く土佐みづき 神戸京子 貞雄 久美
橋詰めに船宿つづく柳の芽 渋谷雛子 貞雄
平潟や春の潮風分譲中 熊谷ふみを 貞雄 よしき 啓花
潮の香に添う蒼天の初桜 佐藤弘香 ○久美 政子
海神に心洗(しんせん)の水温みをり 石川曲水 ○直枝 雅生 ○啓花

野島漁港かもめ写真


参 加 者 名 簿 29人

鳥居おさむ 秋山しのぶ 浅見まさし 石田快泉 石川曲水 池田祥子 遠藤けんじ 大西よしき
加賀暢子 川上久美 河村啓花 神戸京子 熊谷ふみを 佐藤弘香 佐々木なつ 渋谷雛子
菅野雅生 鈴木直枝 竹田ひろ子 田中貞雄 田中一美 塚本政子 鳥居美智子 中田のぶ子 
中島 宏枝 福永尚子 舩山東子 盛戸まりの 山田耕路    

 

あ と が き

 今回の会報は、3ページです。これからも参加者数によって、2ページでは作品を掲載しきれなくなると思います。また、余白スペースも例月まちまちに生じます。そこで、会報の編集の都合上、さきに「谷のつどい10周年記念冊子発行」で原稿をお寄せいただいた皆さんの「谷のつどい吟行 思い出の記」を、一、二篇づつ掲載することにしました。また、掲載文の数、順序等も独断で登載させていただきますので、よろしくご理解のほどお願います。

 

吟 行 の 思 い 出 @            自分探しの旅    佐藤弘香

 「鎌倉で句会があるから来てみない?」という磯部充子さんの言葉に、遠足気分で出かけたのは平成7年1月の「谷のつどい」でした。俳句に季語があることも知らず、五七五を並べて季語の言葉を組合わせればいいというアドバイスをうけ、まず五句、厚かましく出句し句会会場の一員になったのです。その日は鶴岡八幡宮と寒ボタン園の吟行でした。主宰のお引き立てで一句佳作をいただき、私にも才能があるのか、などと大きな自惚れを持ち、句作りという同じ目的の皆様方に、初対面とは思えない気やすさで受け入れていただき、何とも言えない感動を覚えたものです。子供の自立と義父母の看取りが済んだ時、家族を守ることだけに専念した20数年から開放され、深い喪失感と虚脱感に悩まされ、本当の自分は何者なのか、自分さがしの旅が始まりました。「谷のつどい」に参加したのは、そんな時でした。その後しばらく、出席できず、主宰の添削指導で「ろんど集」へ、投句のみの時期がありましたが、平成12年1月より、4年振りに、月1度の吟行、句会セミナー等に参加できるようになりました。句会は再び「谷のつどい」。田中副主宰の鎌倉の歴史の解説や見どころの設定等、毎月行き届いたご案内で楽しい句会は、いつも感謝と感動ばかりです。知らぬが仏で俳句作りをしていた初めの頃と違い、先生方のご指導で俳句に深く関るにつれ、その奥の深さ、難しさに苦しみ、それ以上に俳句作りのおもしろみに引き込まれてます。鎌倉の歴史の宝庫の中で、数知れない寺や仏像、海や美しい風景にふれ、こだわりを捨て、真実を見つめようと精神を集中するとき、自分の何かが大きく変わって行くような気がします。 俳句作りと共に「自分さがしの旅」は、まだまだ続きそうです。こらからはもう一歩前向きに、「真、新、深」を目指して! 以上

春光や水子地蔵の耳の数     弘香


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