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日時 :平成14年4月13日(土)
吟行先:源氏山(葛原岡・銭洗弁天)
参加者:18人

次回 平成14年5月吟行予告

集合 : 5月11日(土)午前11時
     JR 大船駅
吟行先: 鎌倉湖(散財ヶ池)
句会場: 神奈川県民センター
TEL: 045−312−1121

作       品
作 者
選     者
鶯の声のしみこむ苔の艶 河村啓花 美智子 快泉 なつ 耕路
浦島草日当りながら竿のばす 加賀暢子 ○美智子 曲水 直枝
若葉の気もらう毛穴を全開に 田中一美 けんじ ○のぶ子 啓花
洗ひ銭乾して甘酒ふるまへり 秋山しのぶ  
常盤御前の紅涙赤きまんさくは 遠藤けんじ 美智子
風入れて彩の鎮もる八重桜 中島宏枝 美智子
頼朝公へ万の献灯花満天星 遠藤けんじ 美智子 のぶ子 宏枝
春水の縦一文字鯉打ちぬ 鈴木直枝 雅生
七福の一福貰ふ蘇枋晴れ 舩山東子 けんじ 雅生 よしき
小手毬のどよめきに似て頼朝像 中田のぶ子 美智子 幹
源氏山討死のごと椿落つ 菅野雅生 快泉 なつ
地に座して名もなき躑躅と相聞す 秋山しのぶ  
天蓋にぼたん桜や昼餉の宴 加賀暢子 美智子 貞雄 ○雛子 耕路
花片と蘂に浴して化粧坂 田中貞雄  
源氏山滅法晴れて夏近し 石川曲水 貞雄
桜蘂降るや源氏の鬨の声 中島宏枝 美智子 直枝 ○よしき 暢子
ことごとく青の四月となりにけり 石田快泉 美智子 よしき
初音聞くすぐ口笛をふくことを 石田快泉 東子
木洩れ日に竿をかかげし浦島草 河村啓花 美智子 なつ
ウグイスのソプラノレッスン源氏山 村松 幹  
源氏山名残りの花に出逢いけり 佐々木なつ 美智子 曲水
銭洗うリユツクの数や啄木忌 鈴木直枝 美智子 貞雄 ○雅生 啓花
こでまりの向ひへ昼餉の席定む 菅野雅生  
狛犬の踏みしめしごと桜蘂 中田のぶ子 美智子 貞雄 しのぶ
辨財天の淨めの水や歯朶萌ゆる 加賀暢子  
刑場地一気に鶯谷渡り 加賀暢子 けんじ 快泉 東子
野石墓あれば落花の吹き溜る 田中貞雄 美智子 けんじ 曲水 雛子 しのぶ 暢子
谷の鶯調律に遅速あり 中島宏枝 美智子
春光や唐草やぐらののみの跡 耕路
暗緑の茂みに浮きし八重桜 石川曲水  
山道を細めて著莪の咲きにけり  同 ○美智子
エアロビクスはくれんの吐く女たち 大西よしき  
古蔓に見届けられて蔦芽吹く 田中貞雄 ○快泉 雛子 よしき
銭洗ふ音のこみ合ひ春闌けぬ 石川曲水 貞雄
円陣を男ばかりで花の宴 村松 幹  
満天星の白従へし頼朝像 中田のぶ子 ○美智子 曲水 快泉 幹
一房の垣を越えたる藤の艶 田中一美 快泉 雛子
頼朝の若き眼差し飛花の天 遠藤けんじ 貞雄 啓花
寿福寺の四・おおひて竹の秋 渋谷雛子 ○美智子 貞雄 雅生 一美
佐殿の眼光あびし花ふぶき 鈴木直枝 ○曲水
萌えいずる赤や緑は若楓 村松 幹 貞雄 よしき
銭洗う水のひびきや若葉風 河村啓花 一美
飛花落花昼餉の膳にトッピング 佐々木なつ 美智子 幹
蕗の灰汁つきし指先銭洗ふ 渋谷雛子 ○貞雄 一美
日の匂い背負いて散りぬ花檪 河村啓花 宏枝
藤の花昨夜の雨色残しけり 佐々木なつ  
還暦や小さく纏う花吹雪 田中一美 美智子 しのぶ
さんご樹の実生若葉の艶掬ふ 渋谷雛子  
踏青やいくつも抜ける餉の円座 田中貞雄  
源氏山若葉透く日の綾なして 石川曲水  
春の鯉水かげろふは艶増せり  中島宏枝  

   

源氏山

作            品
作    者
選       者
タカラジェンヌ紫組や花蘇枋 大西よしき 美智子
頼朝公前後左右に八重桜 遠藤けんじ 美智子 快泉
宇賀神の洞春興の人を呑む 中島宏枝 美智子 ○貞雄 曲水 ○なつ 直枝 しのぶ
鳶低く翳を残花にうつしけり 秋山しのぶ 美智子 ○曲水 ○東子 ○啓花
実朝政子のやぐらに誘ふ飛花に飛花 加賀暢子 ○けんじ
虚子の墓立子の墓とうぐひすと 舩山東子 けんじ 快泉
水音は山の心音若楓 山田耕路 けんじ 貞雄 快泉 暢子
尺取虫尺取り損ね桜降る 舩山東子 けんじ 耕路 啓花
新樹光けもの道抜け化粧坂 大西よしき けんじ 貞雄
春鎌倉どこ曲がつても路親し 石田快泉 ○けんじ ○貞雄
木を剪つて墓地に春光溢れさす 田中一美 けんじ
桜満つ眦上げし頼朝像 舩山東子 けんじ のぶ子 一美
燭の揺れあやしき祠白蛇出づ 鈴木直枝 けんじ
鶯のひがな一日虚子の墓 田中一美 ○けんじ 貞雄 のぶ子 直枝
漱石を春日に晒す銭洗 大西よしき けんじ 貞雄 ○直枝
八重桜散りて山径いろどれり 山田耕路 曲水
胡蝶花咲いて仏への径誘へり  同 曲水
辨財天たまご盛りしや春愁 佐々木なつ 曲水 暢子
春水で洗ふ小銭を札と替へ 菅野雅生 曲水
鶯の潤みきったる谷戸の道 秋山しのぶ 曲水
八重桜胸のふくらむ想ひして 菅野雅生 ○曲水 快泉 ○一美
神水のてらひを浴びて羊歯若葉 渋谷雛子 曲水 貞雄 宏枝
源氏山支ふ緋の色躑躅かな 舩山東子 曲水
八重桜振り袖ひとふり紅小道 村松 幹 快泉
登らねば残んの花に合えぬらし 秋山しのぶ ○快泉 東子
走り根は足の介護や化粧坂 佐々木なつ 快泉 ○幹
虚子詣で踵返せば黒揚羽 中田のぶ子 快泉 ○しのぶ
松の芯天衝くごとく男意気 大西よしき ○耕路 雛子
八重桜揺るぎの声の昂りて 河村啓花 貞雄 ○宏枝 雅生 ○暢子
源氏絶え北条滅ぶ古都若葉 中田のぶ子 ○快泉

 

参 加 者 名 簿 18人

 秋山しのぶ 石田快泉 石川曲水 遠藤けんじ 大西よしき 加賀暢子 河村啓花  佐々木なつ
 渋谷雛子 菅野雅生 鈴木直枝 田中貞雄 田中一美 中田のぶ子
 中島宏枝  舩山東子
 
村松 幹 山田耕路      

 

あ と が き

源氏山公園において参加者全員で大きな円座の花の宴?を計画していましたところ、今年の桜 前線は、例年より2週間も早く北上し、染井吉野はすっかり葉桜になっていました。それでも頼朝像の周りの八重桜の残花が見られ、好天に恵まれた一日で、幹事の面目は保たれた思いです。
次回5月11日の吟行は、万緑の鎌倉湖を散策しますが、鎌倉湖周辺に適当な句会場がないので横浜オリーブ句会で使用している『かながわ県民活動センター』(通称名)の中会議室(302号室)で行います。概ねの行程は次のとおりです。
 ○11時JR大船駅改札口集合―(タクシー相乗り)今泉不動へ―(徒歩)鎌倉湖へ<昼食>―
 ○13時45分鎌倉湖発―(バス)大船駅へ―(東海道又は横須賀線にて)横浜駅へ―(徒歩3分)
 ○15時〜18時句会(句会場前掲)

 

吟 行 の 思 い 出 A         鎌倉は近くて遠いところ   池田祥子

 ろんどに入会して3年位は、常勤で土曜日も勤務だったので、殆ど鎌倉へ行っていない。パートに なってやっと行けるようになったが、この1年は又土曜勤務が多くなってダメ。行った所に印をつけて いる地図も、印がストップしている。寺巡り、谷戸巡りで、水仙、梅、岩煙草、夏椿、凌霄花、曼珠沙 華等々の沢山の花にも出会った。吟行はまだまだ続けてほしい。そのうちに地図が印でまっ赤にな るのを楽しみにしている。

古草の粗き日の影切通し       祥子

 

吟 行 の 思 い 出 B           悠々鎌倉   加賀暢子

  鎌倉吟行の会に初参加は、平成9年2月8日西口の時計塔前が集合地で、晴天にも恵まれて、大  勢の方々に笑顔で仲間とさせて頂きました。   長谷観音と周辺が吟行先とのことで徒歩で吟行しながら出発でした。緊張のあまり何も目に止まら  ず困り果てておりましたところ、先輩の方が空を見上げて「鳶高し飛行機雲も春の雲」と呟やかれま  した(注 遠藤けんじ様でした。)。後程に作家を知ることとなりました。目が覚める思いがした事が昨  日のように思われます。「素直に作りなさい」と見本として諭して下さったようでした。   当日は初参加としての参加賞でしょうか作品として2句選ばれました。また、一昨年と昨年は怪我  の為に止むを得ず欠席ばかりで進歩もなく悶々としている有様です。   鎌倉の四季を肌に感じながら、幾度も寺めぐりや近隣周辺に出向き、何時も新鮮で飽きることなく  楽しむことが出来るのも一重に俳句という魔物に取り憑かれて悦に入っているように感じております。   「心ゆたかにゆっくり」をモットーに精進して何かを把握できる感覚を持ち続けられるように、怠りな  く努める心算です。 

無縁佛一塊なるや花の風        暢子


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