No.103 月 日 平成12年7月22日(土)
吟行先 極楽寺〜成就院〜長谷海岸
参加者 14名


主 宰 作 品    鳥居おさむ 選        者
御霊小路通る正南風の壁の色 貞雄
社前なれども蹼欲しや森林浴  
瑠璃揚羽恋を舞ひつつ宮詣で
大椨の大暑の樹勢宮守る 貞雄〇 けんじ 弘香
夏潮の音見ゆる坂極楽寺 是空〇 宏枝〇 直枝○

  作      品 作者 選        者
  鳥居おさむ主宰 選       
特選 花剪つて紫陽花にある草いきれ 克 美 けんじ のぶ子 雅生〇 快泉  
切り通し宙に思考の葛の蔓  〃 貞雄 幹〇
江の電が涼風配りゆきし路地 貞 雄  
秀逸 あぢさゐの残花に容赦なき夏陽 のぶ子 けんじ〇  
初蝉の染み入る萱の庇かな 貞雄
白南風やしばし鳶として滑空 けんじ 直枝 一色
極楽寺出て炎天の地獄谷 雅 生  
佳作 藁屋根の涼しさを被て寺由緒 宏 枝 けんじ〇 是空  
タブ大樹懐深く涼を受く 弘 香 貞雄〇 直枝 克美
炎天の海の亢り風均らす 雅 生 けんじ のぶ子  
ビキ二の娘携帯電話抱いて甲羅干し 弘 香 けんじ 克美  
葉桜の影さわさわと石畳 是 空 直枝
空気抜くほたるぶくろの晩年は 雅 生 けんじ 快泉  
百日紅幹の武骨を囲はれて 宏 枝 雅生 幹
片陰り鎌倉に路地いくつある  
浜の鴉水着美人を見て飽きず けんじ 貞雄 是空 宏枝 雅生
土用東風大湾曲の海展け 貞 雄 一色 
半夏生草の白粉はげて大暑かな 宏 枝 けんじ〇 のぶ子〇  
成就院は端居してゐるトンボかな  麗  
南溟の色とどきたる砂熱し 直 枝 貞雄 弘香
寂光の夏草谷戸のやぐら墓 快 泉
百日紅手練の幹の幾何模様 直 枝 貞雄
極楽寺蝉のシャワーに濡るるかな 是 空 一色〇
さざなみをききわけとんび低空に 一 色  
夏木立光と影へ蝶乱舞 弘 香  
潮の香の遠海ヨットの乱舞かな 克 美  
この年の地震が誘導する酷暑 貞 雄 けんじ 是空 一色  
二分咲きの百日紅かな青き空 のぶ子  
草いきれ三万余騎の幻や(極楽寺坂) 直 枝 けんじ  
夏蝶の蹤くともなしに札所寺 快 泉 けんじ   
緑陰に息をつぎたし浜辺まで 一 色  
落ちる昆布拾って見せる夏休み  幹 克美〇 是空
四肢張りて炎天支ふ百日紅 けんじ 弘香〇 克美○
    主宰選外    
  逆光に倒れサーフィン帆を立てる 克 美 けんじ
  石段の数程きられ四葩かな 直 枝 けんじ 雅生
    茶臼から一服賜う緑風 克 美 けんじ 弘香
  かき氷食べて冷やそう脳細胞 けんじ
    片陰や海への路地の風通る けんじ 貞雄
  惜しみなく砂に裸身の大暑かな のぶ子 貞雄 
  弓浜を見つくし四葩刈りとられ 雅 生 貞雄
  旱井の滴り欲しき忍性寺 雅 生 貞雄
  鬼百合の蕾を牙とし対となす 雅 生 貞雄
   由比ヶ浜夏全開の空の色 弘 香 貞雄 麗〇
   跣足への誘惑引き潮の浜広し 宏 枝 貞雄
    炎天や浜に鱗の白き花 是 空 貞雄 快泉
      浜風を受けて鴉の暑気払ひ 弘 香 貞雄 宏枝 直枝〇
   片陰へ五輪塔座す古戦場 雅 生 快泉〇
八月例会ご案内
日 時   8月12日(第二土曜日)午前11時
集 合   JR北鎌倉駅 下りホーム臨時改札口
吟行先   建長寺境内       
       北鎌倉駅から自由散策
句 会   若宮大路ビル 15時から 5句出句  
花の写真
   八月抄(思い出の作品から)  
  方丈庭園裏守る葛の乱れ咲き 鳥居おさむ 平成10年
  藪茗荷ひとりは涼し通り過ぐ 芹沢 萌  平成4年
  みんみんの不満あるごと鳴き終る 中田のぶ子  平成7年
  きざはしや風となりたる揚羽蝶 福永尚子  平成8年
  バス停にたまる残暑や寺の町 赤坂茂子  平成9年


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