No.105
平成12年9月9日(土)

吟行先 瑞泉寺周辺
参加者  16名
連絡先  田中貞雄
TEL・FAX  0468-61-5238
鎌倉文化圏の吟行と俳句会
 (毎月第二土曜日 開催)

 
鳥居おさむ主宰 選
   作      品 作 者 選        者
特選 雁来紅寺領の命吸いつくす 鈴木直枝  
  きささげの実を魂の緒と臨済寺 鳥居美智子 貞雄〇 祥子 宏枝 直枝
  秋黴雨杭の菌を音階に 熊谷ふみを 貞雄〇 
  白妙の芙蓉の道を尊しと 鈴木直枝 けんじ 貞雄
  梅苔を剥がして秋暑終ひかな 田中貞雄  
秀逸 日傘咲き芙蓉が泳ぐ瑞泉寺 村松 幹  
  陽の谷戸や残りの蝉の声こもる 遠藤けんじ  
  唖蝉の群れて呻きの声洩らす 池田祥子  
  法師蝉語尾正調に鳴き納む 遠藤けんじ 美智子 政子 雅生
  天辺からこみあげてくる葉鶏頭 熊谷ふみを 雅生 幹
  法師蝉なかに音痴のゐるらしく 遠藤けんじ 美智子 幹
  身の秋や足にまといし寺の影 佐藤一色 美智子〇 ふみを〇 貞雄
  山無花果恐る恐るの密の味 村松 幹 美智子 けんじ 麗〇
  モナリザの笑みもて山いちぢくの実 中島宏枝 けんじ〇 一色
  かまつかや男の顔は替えられず 田中貞雄 美智子 ふみを 宏枝 暢子〇 雅生 政子
  友の唇笑へば山いちぢくの匂ひ 中島宏枝 貞雄
  かまくらの奥に奥ありつづれさせ 鳥居美智子 けんじ 祥子 雛子〇
  山葡萄手のとどく丈曳きとりし 菅野雅生 雛子
  秋風をめくりつつ老い蓮の葉 熊谷ふみを 直枝
  きささげの実丈も夢窓の計ならむ 菅野雅生 美智子〇 けんじ 祥子 宏枝
  ひょうたんを飾りし寺やいわし雲 片岡 麗  
  蓮の実の集音マイク高曇り 中田のぶ子 美智子 ふみを 幹
  小流れの秋水となる落差あり 熊谷ふみを 美智子 祥子〇 宏枝
  逃げるゆえ愛しくなりぬ秋の蝶 石田快泉 美智子〇
  やたら降る羽毛や二百二十日前 田中貞雄 ふみを〇
  岩庭の水の遶(めぐ)らぬ秋暑かな 片岡 麗 美智子 祥子〇 貞雄 政子
  銀水引源家の霽れをかざしけり 鳥居美智子 ふみを 貞雄
佳作 谷風や昼餉をせかすつくつくし 中田のぶ子  
  法師蝉ふとやむ神木ふり仰ぐ 渋谷雛子 一色
  客山は富士と秋草丈競ふ 鳥居美智子 祥子
   藪茗荷実の艶を盛る仏の掌 池田祥子 美智子
  みんみんやきささげの実のまた伸びる 池田祥子 美智子〇 ふみを 貞雄 のぶ子
  藪みょうが実となり紫光ちりばめて 渋谷雛子 快泉
  虫喰ひの芙蓉葉さらさの影こぼす 中島宏枝 貞雄
  三椏の秋芽に開くどくもく堂 田中貞雄 美智子 けんじ
  きささげを指さす僧の芳しき 塚本政子  
  岩庭を領地となして秋のせみ 佐藤一色 祥子
  その名をば小振りの艶の秋牡丹 鈴木直枝 貞雄
  潮時をさくら黄葉と思うかな 熊谷ふみを のぶ子
  野ブドウと一句が土産谷の会 村松 幹  
  千年の白さ貫き蓮の花 佐藤一色 幹〇
  御首塚するりと抜ける秋の蛇 加賀暢子 美智子 ふみを けんじ 祥子
  白芙蓉に庭守りさせ瑞泉寺 片岡 麗  
  風誘ひ風に溺るる冬桜 石田快泉  
  草の穂の刈られてあらは座禅窟 渋谷雛子 美智子
  白蓮の笑むやシンコペーションの風 池田祥子 政子
  白芙蓉白極まりてうすみどり 遠藤けんじ 暢子 幹
  どこも苦と残暑の奥の地蔵尊 中田のぶ子 祥子〇
   風の止む蝉残響の紅葉ヶ谷 村松 幹  
  老斑をかくし切れざる白芙蓉 田中貞雄 宏枝〇 暢子
   しんがりの遍路の仰ぐ烏瓜 鳥居美智子 ふみを けんじ 貞雄 のぶ子〇
  白蓮の孤独を凛と秋に起つ 中島宏枝 祥子 一色
  きささげの莢のたちこめ湿気帯ぶ 田中貞雄 暢子
  抽ん出て風に日に揺れ残り蓮 池田祥子 美智子 ふみを〇 のぶ子
   磯の香の染みいる岩庭蝉時雨 村松 幹  
  るりしじみ居すわる景致果ての寺 佐藤一色  
  岩庭のエジプトめきし秋旱 菅野雅生 けんじ 貞雄 一色〇
  白揚羽男の顔の句碑に舞う 片岡 麗 快泉
  萩寺の水を差配の鳶頭 鳥居美智子  
  岩庭の黒き水痕黄蝶舞う 塚本政子 快泉
  藪みょうが風化石佛父に似て 渋谷雛子 ふみを けんじ 
  池干して禅刹の庭秋旱 池田祥子
  金水引銀水引と風低く 遠藤けんじ 池田祥子

主宰選外
  十月桜どくもく尊の御声とも 中島宏枝 美智子〇 貞雄〇 祥子 雅生 直枝
  一夏のタイムカプセル玉紫陽花 村松 幹 ふみを けんじ〇 雅生

10月吟行 10月14日(土曜日) 11時  JR北鎌倉駅 臨時改札口 集合

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